アメリカンフットボールは複雑なスポーツに見えるかもしれませんが、基本的なルールやポジション、試合の流れを理解すれば、観戦やプレーがもっと楽しくなります。

わかりやすく「得点方法」「ポジション」「フィールド」「試合の流れ」の4つに分けて、合計48項目を解説しますね!
得点方法
アメリカンフットボールで得点する方法にはいくつかの種類があります。それぞれの得点方法を理解して、試合展開を楽しみましょう。


Touchdown (タッチダウン)
アメリカンフットボールで最も重要な得点方法で、6点を獲得できます。オフェンスチームがボールを持ち、相手のエンドゾーンに入ることで成立します。タッチダウン後には、1点または2点の追加得点を狙うPAT(ポイントアフタータッチダウン)を選べます。
Field Goal (フィールドゴール)
ボールをゴールポストの間に蹴り入れることで3点を得る方法です。通常はタッチダウンが難しいとき、主に4thダウンの場面で選ばれます。成功にはキッカーの正確な技術が必要で、風や距離の影響を受けることもあります。試合終盤でのフィールドゴールは、勝敗を決めることが多いため重要です。
Safety (セーフティ)
ディフェンスが得点する数少ない方法の一つで、相手チームのエンドゾーン内でボールキャリアをタックルするか、攻撃側がエンドゾーン内で反則を犯したときに2点が与えられます。セーフティは滅多に見られませんが、相手の攻撃が自陣深くに追い込まれた際に発生しやすく、試合の流れを変えることがあります。
Point After Touchdown (ポイントアフタータッチダウン)
タッチダウン後に得点を追加するチャンスで、キックを成功させて1点、またはツーポイントコンバージョンを成功させて2点を獲得できます。キックでの得点は比較的簡単ですが、ツーポイントコンバージョンはリスクがあり、試合の状況によって選択が変わります。
ポジション(オフェンス)
オフェンスのポジションは、フィールド上でボールを持ち前進し、得点を目指します。それぞれの役割と特徴を理解することで、攻撃の戦略をより深く理解できます。




Quarterback (クォーターバック)
オフェンスの司令塔。センターからスナップを受けて、パス(TEやWRにボールを投げること)や、ハンドオフ(RBにボールを渡すこと)をして攻撃を展開します。クォーターバックには戦術理解力、迅速な判断、そしてディフェンスの動きを見極める力が必要です。また、リーダーシップや正確なパス技術、フィールド全体を把握する力も求められます。
Running Back (ランニングバック)
ボールを持って地上で前進する役割を担います。ランプレーで中心的な役割を果たし、必要に応じてパスキャッチやブロッキングも行います。素早さや持久力、プレッシャーの中での冷静な判断力が求められます。
● Halfback (ハーフバック)
ランニングバックの一種で、素早い動きと瞬発力でディフェンスをかわしながらボールを進めます。通常はランプレーの中心的な役割を担い、ショートパスを受けることもあります。スピードと切り返しの鋭さが求められます。
● Fullback (フルバック)
ハーフバックの前に位置し、主にブロッキングを担当します。ランナーの進路を作り、ショートヤードでのパワフルなランやパスプロテクションを行うことで、攻撃を安定させます。
Wide Receiver (ワイドレシーバー)
パスキャッチの専門家で、クォーターバックからのパスをキャッチしてヤードを獲得します。スピードと正確なルート取りでパスをキャッチしたあと、RBのようにディフェンダーをかわしてタッチダウンを狙います。
Tight End (タイトエンド)
タイトエンドは、ブロックとパスキャッチの両方をこなすポジションです。ランプレーではランニングバックのサポートとしてブロックを行い、パスプレーではターゲットとして活躍します。サイズと力強さ、キャッチ力が必要で、オフェンスの要になることが多くあります。
Offensive Line (オフェンシブライン)
オフェンシブラインは5人のユニットで、クォーターバックやランニングバックを守り、パスプロテクションやランブロックを担当します。連携と力強さが不可欠です。
● Center (センター)
センターはスナップでボールをクォーターバックに渡し、オフェンスラインの中央でディフェンスの突進を防ぎます。ライン全体を調整するリーダー的な役割も持ちます。
● Guard (ガード)
センターの左右に位置し、主にインサイドのブロックやパスプロテクションを担当します。速さとパワーが求められます。
● Tackle (タックル)
オフェンスラインの両端に位置し、アウトサイドからのパスラッシュを防ぎます。特にブラインドサイドのタックル(右利きのQBの場合は、左のタックル)には、高い技術が必要です。
ポジション(ディフェンス)
ディフェンスのポジションは、相手の攻撃を止めてボールを取り戻す役割を担います。それぞれの役割を理解することで、守備の戦略を理解しやすくなります。




Defensive Line (ディフェンシブライン)
相手のランプレーを止めたり、クォーターバックにプレッシャーをかけたりする役割を持ちます。圧倒的な力強さとスピードが必要です。
● Defensive Tackle (ディフェンシブタックル)
ディフェンスラインの中央に位置し、主にインサイドのランを止める役割を持ちます。オフェンスラインを突破してクォーターバックに圧力をかけることもあります。
● Defensive End (ディフェンシブエンド)
ディフェンスラインの両端に位置し、パスラッシュやアウトサイドのランを守ります。スピードとパワーが重要です。
Linebacker (ラインバッカー)
ラインバッカーは、ランとパスの両方に対応し、ディフェンスの司令塔として全体を統率します。タックル力と判断力が求められます。
● Middle Linebacker (ミドルラインバッカー)
ディフェンスの中心で、ランプレーのタックルやパスカバーを担当します。他のディフェンス選手への指示も行います。
● Outside Linebacker (アウトサイドラインバッカー)
ディフェンスの外側に位置し、ランプレーやパスラッシュを担当します。クォーターバックにプレッシャーをかける「エッジラッシャー」としても活躍します。
Defensive Back (ディフェンシブバック)
主にパスプレーを守りながら、ランのサポートも行うポジションです。スピードと反射神経、広い視野が必要です。
● Cornerback (コーナーバック)
相手のワイドレシーバーに対するパスカバーを担当します。素早い動きで相手を抑え、インターセプトやタックルを行います。
● Safety (セーフティ)
ディフェンスの最後尾に位置し、広範囲をカバーします。パスカバーとランサポートを行い、チームの最終防衛ラインとして機能します。
– Free Safety (フリーセーフティ)
ディープパスに対応し、広いエリアをカバーします。パスインターセプトを狙うことが多いです。
– Strong Safety (ストロングセーフティ)
ランプレーをサポートする役割があり、タックル力に優れた選手が配置されます。
ポジション(キッキング)
キッキングポジションは、得点を狙ったりフィールドポジションを調整したりする重要な役割を持ちます。
Punter (パンター)
パンターは、主に4thダウンでボールを相手フィールドに蹴り込むことでフィールドポジションを有利にします。相手のリターンを最小限に抑えることが求められます。
Kicker (キッカー)
キッカーは、キックオフやフィールドゴール、PATにおけるキックなどを担当します。得点のために正確なキックが求められ、試合の結果に直接影響します。
Holder (ホルダー)
ホルダーはフィールドゴールやPATにおけるキックの際にボールを地面にセットし、キッカーをサポートします。ロングスナッパーのボールを確実にキャッチしする技術と、ボールを正確に置く技術が必要です。
Long Snapper (ロングスナッパー)
キックプレー専用のスナッパーで、遠距離でボールを正確にスナップします。安定したスナップとディフェンスのラッシュに耐える力が求められます。
フィールド
フィールドにはそれぞれ異なる役割の区域があります。それを理解することで、フィールド全体の把握が容易になります。
フィールド
試合が行われる区域です。長さ100ヤード(約91.4m)、幅53.3ヤード(約48.8m)で構成され、エンドゾーンやサイドライン、ハッシュマークが配置されています。
サイドライン
フィールドの左右にある境界線で、ボールキャリアが越えるとプレーが終了します。攻守の位置や戦術に大きく影響します。
エンドライン
エンドゾーンの後ろにあるラインで、ボールがこのラインを越えるとアウトオブバウンズになります。得点区域の終わりを示す重要なラインです。
エンドゾーン
エンドゾーンはフィールドの両端にある得点エリアで、攻撃チームがここに到達するとタッチダウンが成立します。長さは10ヤード(約9.1m)です。
ゴールライン
ゴールラインはエンドゾーン手前にあるラインで、ボールがこのラインを越えるとタッチダウンが成立します。
ゴールポスト
エンドゾーンの後方に設置されたポストで、フィールドゴールやエクストラポイントで得点を狙うための目標です。
50ヤードライン
フィールドの中央にあるラインで、フィールドを二等分します。攻守の目安となり、位置関係を把握するための基準です。
ハッシュマーク
フィールド中央にある短いラインで、プレー開始位置を示す基準です。フィールドの端からも20ヤード(約18.3m)の位置にあります。
スクリメージライン
ボールが置かれる位置から両チームが対峙する仮想のラインです。プレー開始前にこのラインを越えることはできません。
レッドゾーン
エンドゾーンまで20ヤード(約18.3m)以内のエリアで、得点機会が高まる場所です。ディフェンスにとっては最後の防衛線となります。
キックオフゾーン
キックオフ時にボールが置かれる区域で、通常は自陣35ヤード(約32m)ラインから始まります。相手フィールドにボールを送り、リターンプレーを開始させます。
ナインヤードマーク
サイドラインから9ヤード(約8.2m)内側にあるマークで、選手の配置やプレー範囲の基準となります。
試合の流れ
試合の進行を理解することは、アメリカンフットボールの戦略を理解するために重要です。ここでは、試合の主な流れを解説します。
キックオフ
試合開始や得点後にボールを相手フィールドに蹴り込むプレーです。キッカーがボールを蹴り、リターンチームが攻撃を開始します。
ダウン
攻撃側が前進するための4回の試みのうちの1回です。4回のうちに10ヤード以上進むと新しいダウン権を獲得します。
ファーストダウン
10ヤード以上の前進を成功させ、新たに4回のダウン権を得ることです。攻撃が続行可能となるため重要です。
ハドル
次のプレーを話し合うためにプレーヤーが集まる円陣です。クォーターバックが指示を出し、攻撃や守備の戦略を確認します。
スナップ
センターがボールをクォーターバックに渡し、プレーを開始する動作です。正確で素早いスナップは攻撃のリズムを決める重要な要素です。
パスプレー
クォーターバックが味方にボールを投げて前進を狙うプレーです。遠距離の前進が可能で、ディフェンスの隙を突いた長距離パスは試合の流れを変えます。
ランプレー
ボールキャリアがボールを持って地上を走るプレーです。短距離の確実な前進に適しており、タックルを避けながら進む技術が必要です。
タックル
ディフェンスがボールキャリアを止め、プレーを終了させる動作です。相手の攻撃を阻止し、試合の流れを左右します。
ターンオーバー
攻撃側がミスをしてディフェンスに攻撃権が移ることです。インターセプトやファンブルが原因で発生します。
フィールドゴール
キッカーがゴールポストにボールを蹴り入れ、3点を得る試みです。試合終盤の得点が僅差の場合、フィールドゴールは勝敗を左右する重要なプレーです。
パント
攻撃側が4thダウンで攻撃を続けないと判断したときに行うプレーです。ボールを相手フィールドに蹴り出し、相手の攻撃開始位置を遠ざけます。
ハーフタイム
試合の前半と後半の間に設けられた休憩時間です。戦略の再確認や選手の体力回復が行われます。
タイムアウト
チームが試合の進行を一時停止し、戦略を確認するために使用する権利です。各チームは前半と後半に3回のタイムアウトを持ちます。
2ミニッツ・ウォーニング
前半と後半の残り時間が2分になったときに与えられる試合の一時停止です。選手やコーチが最後の戦略を確認するために利用します。
コイントス
試合開始前に行われるコイントスで、攻撃や守備、キックオフの選択権を決定します。選択権は試合の流れを有利にするために重要です。
リターン
キックオフやパントでキャッチしたボールを持って前進するプレーです。相手のタックルをかわしてできるだけ多くのヤードを稼ぎます。
プレーアクション
ランプレーを行うふりをしてパスを狙う戦術です。ディフェンスをランに集中させ、相手の裏をかきます。
インターセプト
ディフェンスが相手のパスをキャッチして攻撃権を奪うプレーです。試合の流れを一変させることがあり、ディフェンスの見せ場となります。
ファンブル
ボールキャリアがボールを落とすミスです。相手に拾われるとターンオーバーとなり、攻撃権が移ります。
ドライブ
連続したプレーでフィールドを前進し、得点を目指す攻撃の流れです。ドライブの成否はチームの戦略や選手の連携にかかっています。
アメリカンフットボールは、一見複雑に見えますが、基本を理解すればとても魅力的で戦略的なスポーツです。今回紹介した48の基本項目を理解し、次の観戦やプレーをより深く楽しんでいただければうれしいです。
コメント