\ルールが分かれば、あなたの「◯◯したい!」がかなう/
- ルールを知って、アメフトを始めたい!
- ルールを知って、試合観戦を楽しみたい!
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アメリカンフットボールってなに?
アメリカンフットボール(以下、アメフト)とは、11人のプレーヤーが攻守を切り替えながら、相手陣地の端にある「エンドゾーン」へボールを運び、得点を目指す競技です。

フィールドのみかた
アメフトは、専用のフィールドで行われます。このフィールドや、試合の中で使われる言葉を知ることで、アメフトの理解がとっても深まります。
フィールドの広さと構造
アメフトのフィールドは、全長120ヤード(約110メートル)、幅53.3ヤード(約49メートル)です。両端には「エンドゾーン」(図の赤い部分)があり、ここにボールを持ち込むと「タッチダウン」と呼ばれる得点が成立します。
また、エンドゾーンの奥には「ゴールポスト」(図の黄色のポール)があり、ボールを蹴って、これに通すと得点が入ります。

ラインとゾーン
また、フィールドにはいくつかの線(ライン)が引かれています。フィールドの真ん中には「50ヤードライン」があり、これが自分の陣地(自陣)と相手の陣地(敵陣)を分けています。以下の図は、左から右に攻めている状況での自陣と敵陣を表しています。

試合の流れ
試合の基本的な流れをわかりやすく説明します。
コイントス

最初にどちらが攻撃するかを決めるため、試合開始前に「コイントス」を行います。コイントスは、両チームのキャプテンや審判がフィールド中央に集まり、以下の手順で行われます。
コイントスの手順
- キャプテンが選択: アウェイチームのキャプテンがコインの表か裏を選びます。
- コインを投げる: 審判がコインを投げ、落ちた面で選択が決まります。
- 選択権: 勝ったチームは、以下の選択肢から選べます。
- レシーブ:キックオフでボールをレシーブして、進んだ位置から攻撃を開始する
- キック:キックオフでボールをキックして、進まれた位置から守備を開始する
キックオフ

試合は「キックオフ」で開始します。
キックオフの流れ
- キックチームの準備: キックするチームが、フィールドの自陣35ヤードラインにボールをセットします。
- キッカーがボールを蹴る: キッカーが、ボールを相手チーム(リターンチーム)に向けて蹴り飛ばします。
- リターンチームがボールを返す: キャッチしたボールをできるだけ前方に運びます。可能な限り多くのヤードを獲得することで、攻撃を開始する位置を敵陣エンドゾーンに近づけます。
なお、キックオフは、試合開始時だけでなく、得点が入った後など試合の流れが変わる重要な場面で行われます。
リターンの成否により、攻撃や守備の有利・不利に大きな影響を与えます。
攻撃(オフェンス)と守備(ディフェンス)
ボールを持つ「オフェンス」は、相手のエンドゾーンを目指してボールを前に進めます。
ボールを持たない「ディフェンス」は、体を張ってランやパスを阻止します。

ダウン制と攻撃の進行
アメリカンフットボールには「ダウン制」というルールがあります。オフェンスチームは、4回の攻撃権(ダウン)で合計10ヤード以上前進しなければなりません。
もし、10ヤード以上進めたら、新たに4回の攻撃権(ダウン)が与えられ、さらに前に進むチャンスが得られます。これを「ファーストダウンの獲得」といい、これを繰り返して敵陣のエンドゾーンまでボールを運びます。
10ヤード進めなかった場合は、相手チームにボールが渡り、攻守交代となります。

このように、攻守交代を繰り返して、得点を重ねていきます。
得点方法
アメリカンフットボールには、いくつかの得点方法があります。
タッチダウン(6点)

タッチダウンは、アメリカンフットボールで最も重要な得点方法です。オフェンスが、ボールを敵陣エンドゾーンに持ち込むか、パスをキャッチしてエンドゾーンに入ると、6点が得られます。
ラグビーと異なり、エンドゾーン内でボールを地面につけなくても得点が認められます。
トライフォーポイント:キック(1点)or プレー(2点)
タッチダウンのあと、ゴール前3ヤードから追加点を得るチャンスがあります。
- キック:ゴールポストの間にボールを通過させる(1点)
- プレー:ランプレーまたはパスプレーでもう一度エンドゾーンにボールを運ぶ(2点)
フィールドゴール(3点)

オフェンスチームがゴールポストに向かってボールを蹴り、そのボールがゴールポストの間を通過すると得点になります。通常、タッチダウンが難しい状況でフィールドゴールが選ばれます。
セーフティー(2点)
オフェンスチームが自陣のエンドゾーン内でミスを犯し、ディフェンスチームが2点を得る特別な得点方法です。これは、オフェンスチームが危機的な状況に追い込まれたときに起こります。
オフェンスの基本戦術
オフェンスの仕事は、あらゆる戦術を駆使してボールを前進させ、タッチダウンを獲得することです。基本的なプレーの種類は、大きく分けて2つあります。
ランプレー

ランプレーは、ボールを持って走る「地上戦」のプレーです。
ブロッカーが道を作ることで相手ディフェンスを崩し、走って距離を稼ぎます。主に、ランニングバックと呼ばれる「走る専門家」がボールを運び、短距離での確実なゲインが期待できます。
ランプレーは、ディフェンスを引き寄せる戦術としても活用されます。
パスプレー

パスプレーは、ボールを投げて捕る「空中戦」のプレーです。
クォーターバックと呼ばれる「投げる専門家」が、レシーバーと呼ばれる「捕る専門家」に投げることで前進するプレーです。1回のプレーで大きなゲインを狙うことができ、相手ディフェンスを拡散させる効果もあります。
ただし、失敗すると1ヤードも稼ぐことができず、さらにインターセプト(投げたボールを相手ディフェンスに捕られて攻守交代)してしまうリスクがあることに、注意が必要です。
ディフェンスの基本戦術
ディフェンスの仕事は、相手オフェンスが前に進むのを阻止することです。ここでも、戦術が重要です。
ランディフェンス

ランディフェンスは、相手オフェンスがボールを持って走る「地上戦」に対抗するための守備です。
オフェンスの壁を破壊する「ディフェンスライン」と、ランにもパスにも柔軟に対応する「ラインバッカー」が協力して、ランナーの進行を阻止します。
ランプレーを封じることができれば、相手の攻撃の幅を狭め、戦術的な優位をつくることができます。
パスディフェンス

パスディフェンスは、相手オフェンスがボールを投げて前進する「空中戦」に対抗するための守備です。
フィールドの後方を守る「ディフェンスバック」と、ランにもパスにも柔軟に対応する「ラインバッカー」が、投げられたボールを妨害することでパスの成功を阻止します。
とくにインターセプト(投げられたボールを奪って攻守交代)できれば、試合の流れを一気に変えるチャンスですが、これには正確なタイミングとポジショニングが必要で、集中力と連携が重要です。
反則

試合中に反則行為があると「ペナルティ」が科されます。審判は、黄色いフラッグを投げて、反則を知らせます。
これにはいくつかの種類があり、それぞれ異なるルールや罰則が適用されます。代表的なものは、以下のとおりです。
オフェンスの反則
フォルススタート
スナップ(プレーの開始前にボールを動かす合図)が出る前に、オフェンスの選手が不正に動く反則です。(5ヤードの罰則:オフェンスが5ヤード後退する)
ホールディング
相手選手をつかんで動きを妨げる反則です。多くは、オフェンスラインが、相手のディフェンスラインをブロックする際に発生します。(10ヤードの罰則:オフェンスが10ヤード後退する)
ディフェンスの反則
オフサイド
スナップの前にディフェンス側がオフェンス側のラインを超えて侵入する反則です。(5ヤードの罰則:オフェンスが5ヤード前進する)
パスインターフェアランス
パスをキャッチしようとするレシーバーを、ボールが来る前に邪魔する反則です。重大なペナルティであり、NFLでは相手がボールを受け取ろうとする地点までボールが進められます。(罰則ヤード数は反則地点により異なる:オフェンスが反則地点まで前進する)
共通の反則
アンネセサリー・ラフネス
必要以上の過度な接触やタックルを行った場合の反則です。試合の安全を確保するための重要な反則です。(15ヤードの罰則)
アンスポーツマンライク・コンダクト
挑発的な行為や不適切な言動を行った場合に適用される反則で、得点後の過度な喜び方や相手を侮辱する行為がこれに該当します。(15ヤードの罰則)
試合時間

アメリカンフットボールの試合は通常、「4クォーター制」で構成され、前半(第1・第2クォーター)と後半(第3・第4クォーター)に分かれます。前半と後半の間には、ハーフタイムが設けられます。
年代や規模により1Qあたりの時間が異なり、1Qあたりの時間は10分〜15分。ただし、ボールがライン外に出る、タイムアウトが取られる、反則が起こるなどの場面で時計がストップするため、試合時間は、合計で2時間〜3時間ほどかかります。
おわりに

アメリカンフットボールは、ルールを覚えるととても面白いスポーツです。最初はちょっと難しく感じるかもしれませんが、この記事を参考にして、ぜひアメフトを楽しんでください!
本記事が、少しでも皆さんの「アメフトを始めたい!」「試合観戦をもっと楽しみたい!」「大切な人を応援したい!」という気持ちに役立てば、嬉しく思います。新たな挑戦や応援が、素晴らしい経験となりますように!


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